肘関節脱臼 肘関節靭帯損傷
肘関節の主要な靭帯は 外側靭帯と内側靭帯
内側靭帯:内側側副靭帯のうち前斜走靭帯が動揺性に対して重要
外側靭帯:外側側副靭帯と輪状靭帯、外側尺側側副靭帯が重要な役割
肘靭帯損傷の治療法
手術を行わなくても日常生活で使用するには良好な安定性が得られる。
①肘に負荷のかかるスポーツや仕事に従事している以外は多くの場合、
手術は不要
②拘縮にならないために、早期に適切なリハビリを行うことが重要
靭帯の構造
内側側副靭帯:上腕骨と尺骨を繋ぐ靭帯で中でも前部が外反動揺性に対して重要
肘靭帯損傷について以下の文章が非常に参考になります
Stanford Health Care HP Elbow Ligament Injury から
肘関節はかなりしっかりした関節で、骨が正常の位置や形態を保つのに重要な役割を演じている。関節周囲の様々な靭帯は過剰な運動、回旋運動、角度変形に対して補助的な役割をしている。内側靭帯は特に重要
一般的に肘の靭帯損傷は手術をせずとも治る。実際、外傷後の肘関節動揺性が長期間続くことはまれである。一方、肘関節の拘縮が問題になることが多い。肘の靭帯損傷の一番の原因は肘関節の脱臼である。
脱臼はレスリング、フットボール、ラグビー、体操などのスポーツで起こりやすいが、高所からの転落が一番多い原因である。靭帯損傷の大きさにかかわらず、PT(理学療法士)の指導下に早期(通常数日以内)に肘の運動を開始することで肘拘縮を予防できる。このように肘固有の関節安定性により手術を行わずかなり早期に靭帯の治癒を可能にしている。
靭帯損傷が稀に治癒せずに不安定性が残る場合に手術適応となる。これはけがの程度、特別な靭帯損傷、患者さんの機能要求度による。理学所見やMRI所見が手術を決める重要な要素である。
★後外側回旋不安定症
(Postero lateral rotatory instability = PLRI)
1991年にO'Driscollらにより提唱された肘関節不安定症の概念です。
後外側回旋不安定症の発生メカニズムには諸説があります。
1、外側尺側側副靭帯の単独損傷説
2、外側靭帯と外側尺側側副靭帯の合併損傷説