★外側型野球肘、離断性骨軟骨炎
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外側型野球肘、離断性骨軟骨炎とは?
ボールを投げる際に上腕骨外側関節面(上腕骨小頭)と橈骨頭が衝突し擦れて、関節軟骨に強い力が加わります。離断性骨軟骨炎は肘外側(主に上腕骨小頭)にかかる外力の蓄積によって骨軟骨がはがれてくる病気です。小児期の肘関節は軟骨成分が多いため衝撃に弱く、ボールを投げすぎると肘の外側の関節軟骨が壊れてしまいます。この疾患は多くの場合初期に投球制限をすると治りますが、症状が進行すると手術が必要と長期間のリハビリが必要になります。
✔症状: 投球時の肘のいたみ。可動域制限(肘関節が伸び切らない、完全に曲がらない)が主な症状です。
✔原因: ボールの投げすぎが原因です。特に小学生の間に投げすぎると発症しやすいと言われています。
✔診断: 自分でのチェック方法1、投球時の肘痛の有無? 2、肘がまっすぐ伸びるか?をチェックし異常があれば病院を受診し検査を受けてください。
病院では肘の変形の有無、圧痛の有無に加え、レントゲン写真、エコー、CT、MRIなど必要な検査を行って診断します。
✔治療:病気の進行状況に応じて治療します。程度が軽い場合は投球禁止とリハビリで治癒します。一方、程度が重いものは手術が必要になります。手術は病巣部の状態と大きさに応じて手術方法を選択します。病巣部に骨が含まれている場合は骨をつける治療を行います。病巣部に骨があまりついていない場合は病巣部を切除し軟骨再生を促す処置を行うか、骨軟骨柱を他の部位(膝、肋軟骨等)から採取し、肘関節に埋め込みます。
Key words: 屈曲不能、曲がらない、伸展障害、伸びない、拘縮、かたい、動かない、動きにくい、疼痛、痛み、注射、手術、再手術
ボールを投げる時に肘にかかる力
肘内側
肘外側
投球動作時
✔肘内側には上腕と前腕を引き離す力がかかり,その力を靭帯が支えています。
✔肘外側には上腕と橈骨頭がぶつかり合い圧迫力がかかります。
レントゲン写真の病期分類
透亮期
分離期
遊離期
13歳男児、1年位前から投球時に肘の痛みを自覚していましたが、来院せず
肘関節45度屈曲位正面写真
上腕骨小頭の軟骨下骨が不整です(➡で囲んだ部位)。分離期に相当します。
肘関節側面像
上腕骨小頭の軟骨下骨が不整です。
MRI 側面像
関節内に液体がたまり、上腕骨小頭骨内に液体が入り込んでいます。